PEOPLE & WORK人と仕事
EDI化拡大
プロジェクトストーリー
日本酸素グループの業務効率化を実現する
「EDI化拡大プロジェクト」
当社は、日本酸素の支社・支店と、産業ガスをボンベに詰める充填所のデータ連携に数年前から取り組んでいる。日本酸素独自の産業ガス容器管理システム「SmartCyliUS(スマートシリウス)」によるEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)(※)化拡大プロジェクトだ。このプロジェクトは、日本酸素グループ各社の業務の効率化を推進し、データの入力業務の工数や入力ミスの削減につながる。しかし、EDI化拡大プロジェクトは、決して順調に進んでいるわけではない。
- EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換):従来、紙ベースだった発注書、納品書、請求書などのビジネス文書を、ネットワーク経由で統一した書式によって電子的に交換する手法。
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プロジェクトマネージャー
Y.S.
ソリューション本部
グループ基幹システム部長 -

H.T.
ソリューション本部
グループ基幹システム部
容器システム課
01.プロジェクトの背景/SmartCyliUS(スマートシリウス)とは?
自分のアイデアで開発を効率化する新たなツールの開発を
Y.S.学生の皆さんは産業ガスというものをご存知でしょうか。産業ガスはその名称から、工場や研究所など特殊な場所で使われているイメージを持たれがちですが、実は私たちの身の周りの物にもたくさん使われています。例えば、遊園地で子供たちが握っている風船は、中に詰めたヘリウムガスによって浮いていますし、スーパーやコンビニで売っているポテトチップスの袋には、酸化を防ぎ、おいしさを保つため、窒素ガスが詰められています。
産業ガスは、一般にボンベと呼ぶ高圧ガス容器(日本酸素ではシリンダーといいます)に入れて運ばれます。皆さんも、街中でトラックの荷台に積んで運んでいるボンベを見かけたことがある人もいることでしょう。ビヤホールや居酒屋のビールサーバーには、樽からビールを押し出すために炭酸ガスのボンベがつながれているので、飲食店でアルバイトを経験した人は、ご存知の人もいるかもしれませんね。
H.T.産業ガスのボンベは、溶接の仕事や病院などでも使用されています。呼吸不全の患者さんなどで、在宅療法として自宅で酸素ボンベを使っている方もいらっしゃいます。このように、産業ガスは意外と身近な製品なのです。
Y.S.こういった産業ガスは、充填所でボンベに詰められます。日本酸素はそのボンベを必要としているお客さまの元にお届けします。そして、お客さまが使用されてボンベが空になると回収し、充填所で再びガスを満たしてお客さまに届けます。
ボンベの動きは、一例をあげると、「充填所」→「日本酸素」→「お客さま」→「日本酸素」→「充填所」→「日本酸素」→「お客さま」といったように循環しながら、充填・使用・回収を繰り返しているのです。ボンベの管理や輸送方法は、事故を防止するため、「高圧ガス保安法」という法律で定められています。産業ガスを取り扱う事業者は、ボンベの出庫や入庫、返却や回収を記録する必要があるのです。
以前は、ボンベの移動の記録は紙伝票に記すのが一般的でした。しかし、日本酸素では早くから支社・支店などの拠点ごとにパソコンを導入し、出庫や入庫のデータを入力してシステムで管理してきました。そして、2008年には当社で開発した、産業ガス容器管理システム「SmartCyliUS」を導入し、日本酸素の全国の支社・支店のデータをすべてサーバに集約して、一元管理するようになりました。以来、当社は「SmartCyliUS」の運用支援を受け持っており、私の所属する部署が担当しています。
業務の効率化を目指し、EDI化を拡大
Y.S.「SmartCyliUS」の導入によって、全国の支社・支店のデータが結ばれて一つになったことで、日本酸素では、「業務の効率化をさらに図れるのではないか」という、もう一歩進んだ課題の指摘がされるようになりました。具体的にいうと「充填所のボンベの出庫データと日本酸素の入庫データは同じなのに、それぞれが紙に書いたり、パソコンに入力したりするのはムダだ」という意見です。
H.T.さらに言うと、ボンベの返却・回収データも、日本酸素と充填所で重複しています。日本酸素としては、充填所の出入庫情報をEDI化して、そのまま利用できるようにすれば、日本酸素の支社・支店では入庫データを入力する必要がなくなるため、大きな業務の効率化につながります。
Y.S.ボンベの出入庫データのもう一つの問題は、データの入力業務が属人化し、担当者が異動や退職すると業務が滞ることでした。この問題を解決するため、日本酸素は伝票入力の自動化を行う仕組みとして、「EDI化プロジェクト」を推し進めることになりました。
02.プロジェクトの課題とその克服
EDI化に二の足を踏むグループ外企業の説得
Y.S.日本酸素グループ内のEDI化は、各社からの需要が大きく、数年前からかなり進んでいます。私自身は、課長になった2015年4月からプロジェクトマネージャーとして、EDI化に取り組んできました。グループ会社の充填所は、丁寧に説明すればEDI化のメリットを理解し、協力してくれます。
しかし、グループ外の充填所は、EDI化によって、データを日本酸素に送るなど、手間が増えることになります。ですから、EDI化に二の足を踏む気持ちはよく分かります。しかし、EDI化は広まっていくほど利便性が高く、日本酸素の業務効率化に貢献できるため、私たちはグループ外の充填所にも協力をお願いし、説得を続けています。その結果、2019年3月現在、グループ内15社、グループ外20社の計35社とEDI連携を行えるまでに発展しました。
入社2年目の若手社員、H.T.の活躍
Y.S.しかし、日本酸素グループ以外の充填所のEDI化導入は、簡単ではありません。とにかく時間がかかります。先方の利益に直接つながらないことへの協力を求めることになるうえに、技術的な面でも「SmartCyliUS」ではないシステムとのデータ連携は難しいのです。それを今、H.T.がリーダーになって取り組んでくれています。H.T.は2017年の入社でまだ経験の浅いSEですが、業務のかたわら勉強を続けており、基本情報技術者試験に合格し、さらに応用技術者試験を目指すなど努力家です。
H.T.グループ会社の充填所でも、長年親しんだやり方を変えていただくことは難しいのに、グループ外の充填所が、EDI化を簡単に受け入れてくれるわけはありません。私は「御社のシステムで出力したデータはそのままの状態でかまいません。うちの方で取り込めるフォーマットを開発しますから」と、先方が同意しやすくなるような、相手の立場にたった提案を行うなど、粘り強く交渉を行っています。その甲斐あって、私が担当して初めてグループ外の充填所から1社、「SmartCyliUS」へのデータ連携を成功できそうです。まずは1社協力していただければ、この仕事に自信が湧くと思っています。
03.今後の展望
EDI化は、産業ガス業界全体の発展に貢献する
Y.S.EDI化の拡大は、処理スピードの迅速化や合理化、正確性の確保にもつながります。私たちのプロジェクトの成功で、日本酸素の業務効率化に貢献でき、とても嬉しく思います。
しかし、いくら良いシステムでも、それぞれの企業には事情があるわけで、簡単には協力を得られません。「EDI化に費用や手間がかかるなら、今までのやり方でいいよ」という充填所もあります。だからといって、充填所側の費用や手間の負担を安易に軽減してしまうと、日本酸素の負担を増やしてしまうことになりかねません。私たちは、一社一社、難しい調整に取り組んでいるのです。
H.T.一方で、日本酸素には、既に連携した充填所から日々データが送られてきています。私たちのところには、「その膨大なデータを何かに活用できないだろうか?」という相談も寄せられています。まさしく「ビッグデータ」の活用です。EDI化の意義は、日本酸素グループの業務の効率化を超え、産業ガス業界全体において、様々な方面に発展する可能性がある大変重要なプロジェクトといえます。
Y.S.私たちは、これからもシステムの開発・運用面で、日本酸素グループの業務を支援し、グループ各社のコスト抑制、拡販、利益向上などをサポートしていきたいと切に願っています。
プロフィール
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Y.S.
2000年入社/
コンピュータ理工学部 ソフトウェア学科 卒新潟県出身。「二人の子供に絵本を読んであげるのが楽しみです。平日は私が帰宅すると寝ていることが多いので、休日はできるだけ一緒に遊ぶようにしています」
キャリアパス
- 2000年
- ビジネスソリューション事業部
- 2009年
- TN事業部
- 2015年
- ソリューション本部
システムサービス2部
- 2016年
- ソリューション本部
システムサービス2部 容器システム課長
- 2019年
- ソリューション本部
システムサービス1部 容器システム課長
- 2021年
- ソリューション本部
グループ基幹システム部 容器システム課長
- 2023年
- 現職
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H.T.
2017年入社/
経済学部 経済学科 卒東京都出身。「ラーメンの食べ歩きが趣味です。好みのジャンルは、魚介豚骨系のつけ麺です。映画もよく見ます。特にホラー映画が好きです」
キャリアパス
- 2017年
- ソリューション本部
システムサービス2部
- 2019年
- ソリューション本部
システムサービス1部
- 2021年
- 現職